鬼滅の刃 遊郭編 第一話 音柱 宇髄天元

遊郭編

遊郭編 第一話ネタバレ・感想「音柱 宇髄天元」

テレビアニメ 鬼滅の刃 遊郭編、第一話初回1時間、視聴率は9.2%。体感15分。

無限列車編と遊郭編をつなぐエピローグとプロローグが混じったような回でした。

早速振り返って印象に残った部分を記します。

遊郭編 第一話のネタバレが含まれます

「鬼滅の刃」遊郭編 Twitterの世界トレンド一位に

遊郭編が放送5分でトレンド1位(12月5日23時20分現在 オリコンニュースより)、総合的には『鬼滅の刃 遊郭編』に関連するワードがランキングを席巻、世界トレンド一位に。

 

遊郭編の始まりは無限列車のエピローグ

遊郭編の始まりは、無限列車で激しく猗窩座と死闘を繰り広げる煉獄さんの姿を目に焼き付けている炭治郎から始まりました。

次の章に行く前に、炭治郎が何をその目で見て、心に刻んだのか、刻まれたのかを見せられているようでした。

Ufotableさんは、過去の出来事や回想シーンに『四隅を色収差(印刷ズレのような滲み)でぼかして歪ませるという表現ルールを鬼滅の中で使っているんですが(↓こんな感じ)、

色収差(鬼滅の刃)
アニメ鬼滅の刃の回想シーンで処理される色収差ぼかしイメージ

何度も見ていた無限列車のシーンにこの表現が施されていて、無限列車は回想となったんだなあ。炭治郎たちの時間は否が応でも前に進んでいるんだというのを実感しました。

「心を燃やせ」暗転し「煉獄さん・・・・」

むせび泣く炭治郎の声の後、クレジットが表示され遊郭編は非常に静かな始まりでした。

補足的に入れられた隠のシーン

無限列車 煉獄さんに隠が駆け寄る最後のシーン(集英社「鬼滅の刃」8巻 P105)
無限列車 煉獄さんに隠が駆け寄る最後のシーン(集英社「鬼滅の刃」吾峠呼世晴 著 第8巻 P105)

ここで原作にはあって無限列車になかった隠たちが現場に駆け寄っていくシーンが差し込まれていました。

虚脱に包まれた伊之助、泣きながら気を失ってる善逸。煉獄さんを呼び続ける炭治郎。

足元に血が広がり動かなくなった煉獄さんは、無限列車編よりもめちゃ死んでる感がありましたな…。

煉獄さんの死を通し受け継いだ想いと炭治郎たちの覚悟。これが遊郭編で戦闘中の彼らの強い原動力となるわけですが、その伏線ともなる意味のあるシーンでした。

遊郭編 第一話アニメ オリジナルシーン

お館様『杏寿郎の想いを繋いでいこう』

無限列車の報告をカラスから聞いたお館様の言葉。鬼殺隊を象徴するお館様が、作品の根底にあるテーマ「人の想いは永遠」を伝えています。無限列車の冒頭のお墓まいりのシーンでも口にしていましたね。

「鬼がどれだけの命を奪おうとも、人の想いだけは誰にも断ち切ることはできない」

産屋敷輝哉 鬼滅の刃『無限列車編』冒頭シーンより

炭治郎のアニオリ任務と鬼

鍛錬に勤しむ中、炭治郎が単独任務で鬼討伐に向かうエピソードはアニメ オリジナルです。

炭治郎が木の柱を天井に向かって駆け上ったら箱から禰豆子が飛び出し、すっかり鬼殺隊の一員として炭治郎と共闘。

遊郭編でも上弦に対しタイマンはるほどに成長する彼女の伏線のようでもありました。

ここでもアニメオリジナルの鬼が登場。

カマキリのような鎌を持った鬼で、この後登場する妓夫太郎を彷彿させるようなデザイン。無限列車 第一話の時も猗窩座と同じような縞柄の鬼で(ネットでは「前座」なんて言われていましたが)、本編で登場する鬼を意識した設定にしているのかもしれません。

無限列車がY字分岐ポイントで画面から消えゆく

走る汽車が姿がY字切り替えポイントで左折し画面から消えてゆく。もう一方の線路の先には街並みが広がります。おそらくその街が遊郭の舞台であり、無限列車をここで後にすることを示唆する表現でした。

子供に擬態した無惨、本屋で本をゲットするシーン

製薬会社経営者の養子に擬態した『ショタ無惨』が一人で街を歩き、本屋で本を手にして出てゆきます。会計している姿がありませんでしたが、もしかして家が本屋と月極め契約していて、顔パスで買ったのかもしれません。

街で子供無惨にすれ違った学生が、振り返って無惨を見つめています。何を感じたのでしょうか。鬼の気配か、子供が夜に一人で歩いていることなのか。

炭治郎が蝶屋敷のベッドで落ち込んでいるシーン

善逸のモノローグの時に映される、炭治郎が自分の弱さに落ち込んでいる姿、原作になかった禰豆子が横に座っていました。珍しく落ち込む彼のそばにいて支えてあげている、そんな感じの補足でした。

鋼鐵塚蛍との追いかけごっことアオイちゃんシーン

鋼鐵塚さんが刀を無くした炭治郎に激怒して追いかけ回るシーンは原作よりも長めになっていて、なんとアオイちゃんが機転を利かせて炭治郎をかくまいます。

アオイちゃんが今後登場はほとんど無いので嬉しい追加シーンでした。

猗窩座、ショタ無惨

鬼舞辻無惨の擬態

製薬会社の養子に擬態化した無惨様に猗窩座が訪問するシーン。

肝心の「青い彼岸花」の在り処が分からないと知り、不機嫌になった無惨が血鬼術を投じると、猗窩座の体が震えてヒビが入り始め、口や目、鼻から血が噴出。

「上弦の参も堕ちたものだな」と嫌味を言われ、原作では猗窩座がピクッと反応しますが、アニメではとろーりと血が滴るだけ。ねっとり落ちる動きはこだわりを感じます。

煉獄家訪問シーン:槇寿郎さんとの喧嘩、千寿郎くん

槇寿郎さんと炭治郎の喧嘩はワニ先生独特の味

たいした才能も無いのに剣士などなるからだ
くだらない…愚かな息子だ 杏寿郎は!!

ー煉獄槇寿郎  鬼滅の刃 遊郭編 第一話より

煉獄さんの父、槇寿郎さん、ついに本編でお顔出し。

胸ははだけ、太ももまで露出されたお姿が生々しい笑。「アル柱」「全焼酎の呼吸」のタグがニコ動でついてましたね。

槇寿郎さんと炭治郎とでいきなり取っ組み合いの喧嘩になりますが、ここは吾峠呼先生の味が出ているところ。

炭治郎は煉獄(杏寿郎)さんの悪口を言われ、自分の無力さ、悔しさを刺激されて怒っている。

槇寿郎さんはやさぐれた原因でもある日の呼吸の使い手が現れ、コンプレックスをザックリ刺激されて腹を立てている。

お互いに意図せず一番傷の部分を突いてしまっていること、お互いに怒っている箇所が全く違う噛み合っていない喧嘩であること。こういう『ズレによる妙』は吾峠呼氏の得意なところです。

『このクソジジイ!』

炭治郎の怒りの大きさを表現していて個人的に好きなところです。彼が人に向かってこんな言葉を口にすること無いですからね。

例えば見てください、17巻、無限城での猗窩座戦の最中、炭治郎の回想シーン。

伊之助がご婦人を「ババア」と呼んだことに対し「おばあさん(と呼びなよ)」とわざわざ言い直しをさせています(言い直しできてないけど)。

鬼滅の刃 ジャンプコミックス 17巻 P161

鬼滅の刃 ジャンプコミックス 17巻 P161 / 集英社・著:吾峠呼世晴

ジジイはババアと同等で対義語である上に、「クソ」が冠についた言葉を放ったんですから、吾峠呼先生の言葉のチョイスの意図に深く納得しますよね。

彼は相手の属性で言動を変えません。相手が強敵だろうが年上だろうが関係なく、思った通りに行動しますから。

ちなみに「クソジジイ!」の英語訳は「Miserable old fart!」でした。

兄上はきっと許してくれる…あの手は煉獄さんと千寿郎?

「炎柱の継承が絶たれる」の手の絵は、千寿郎くんと杏寿郎の手のように見えます。柱である杏寿郎から千寿郎にその使命を受け継げなかった。そんな絵でしょうね。

目を細めてニッコリ笑顔は、千くんのことを全て受け止め、年の離れた弟には、鬼狩りよりも自分の好きな道を進んで欲しいと願っていた兄なんだなと感じます。親のような役割もしていたのでしょう。

「行ってまいります、父上」

これが煉獄さんの最後のセリフ。この後、回想でしかその姿を見られません。

剣士になるのは諦めます

声を震え詰まらせるような言葉で、原作よりもリアルな感情が伝わってきました。(CV:榎本淳弥)

カットされたセリフ「軟弱だぞ」

鬼滅の刃 集英社 ジャンプコミックス 8巻 No.167 著:吾峠呼世晴Ufotableさんが鬼滅の刃を映像化する時、セリフは本当に忠実です。セリフが追加されることもありますが、それは原作の省略されたような隙間やシーンの意図を、よりわかりやすくするために補足されています。

ですが珍しく「カットされた」セリフがありました。

それが煉獄家から帰る途中、
お腹の傷が痛み自分に言い聞かせている

「軟弱だぞ 頑張れ!」の言葉です。

「発熱で苦しい」は今のご時世、コロナを想起させなくもなく、「熱で苦しいのは軟弱だ」のセリフは今はリスクありと判断したのかもしれませんね。

 

遊郭編の第一話ラストからエンドクレジットまでが圧巻すぎる

「で、どこ行くんだ、オッさん」(伊之助)

「日本一色と欲にまみれたド派手な場所 
 鬼の棲む"遊郭"だよ(天元)

鬼滅の刃 遊郭編 第一話 「音柱 宇髄天元」最後のシーンより

このCGを使った遊郭の街を高速で舐め走り抜けるようなラストシーン、そしてオープニング、エンドクレジットまでが圧巻。

「これ、大河ドラマ?」

これから視聴者を別の世界へ連れいく、その期待値を最大限に高めてくれる見せ方でした。

壮大な世界観を見せつけて、

「お前ら、行く覚悟あんのか?」

とまるで問いを突きつけられているかのようでした。

そのシーンの一部が使われている予告動画。


「テレビアニメ「鬼滅の刃」遊郭編 第2弾PV 12月5日(日)放送開始」より。

 

オープニング「残響散歌」

鬼滅の刃 遊郭編 主題歌:「残響散歌/朝がくる」

期待のオープニングですが、第一話はイレギュラーに一番最後挿入されました。

マッチョな天元さんが二刀流で激しく動く姿は迫力あり、帯の動きや一瞬影だけ映る妓夫太郎、居眠りした女装の善逸。

今回の話は全体に静かな回でしたので、オープニングの華やかさにいっそう惹きつけられました。

タイトルロゴ出現シーンは無限列車と対比的

無限列車編と遊郭編は「鬼滅の刃 アニメ2期」として、いくつか共通させている表現があります。そのうちの一つがこのタイトルロゴが出現した時の見せ方です。

炭治郎と逆方向に向かう煉獄さん。炭治郎と同じ方向を向く宇髄天元さん。生死を分けた戦いになったことを示唆しているようで、煉獄さんが儚く散った人であることを強く感じさせます。

主題歌「残響散歌/朝がくる」

三人の嫁を従えて花火が打ち上がり、派手派手な祭り男のイメージ。歌詞も完全に天元さんに焦点を当てた歌でした。

鬼滅の刃 遊郭編 主題歌「残響散歌/朝がくる」

始まりがジャズっぽく少し大人びた雰囲気で『紅蓮華』とはかなり印象が違います。タイトルは賛歌ではなく「散歌」という字を当てたところが、命を賭して戦う姿をイメージさせます。

人混みで慌てるかまぼこ隊と潜入先の店主らがさりげにフレームイン

遊郭の敷地でまごついている炭治郎、鼻の下を伸ばした善逸、慌てふためく伊之助。

それぞれの後ろに歩いている人たちは、彼らが女装して潜入する店の店主とおかみさんがいましたね。伊之助は、作中で殴ってしまう客が登場。オープニングでもやっぱり殴られていました。

屋根上を走る伊之助の足元にはむきむきネズミが。気づきましたか?

まとめ

第一話の全体の印象はこの二つでした。

1.無限列車が過去となったことの実感
2.遊郭編への期待がさらに高まった

第1話台本表紙

この表紙絵のノートがufotableカフェで購入できるようです。

次号予告編

この人からは責任感の強い匂いがする…信頼できる人だ』

柱はみんなそうだと思うけどね。煉獄さんからは面倒見のよさ、天元さんからは責任感の強さを感じた炭治郎。

来週はいよいよ「遊郭潜入」。ついに、ついに、女衒 宇髄天元と、炭子、善子、猪子が登場です。楽しみですね。

 

あとがき

 

『深夜アニメとは思えないクオリティ』とも言われますが、遊郭編はグローバルに同時配信されているため、その枠を基準にした作り方にはしていないでしょう。

また、無限列車の大ヒットにより予算に余裕があるとはいえ、スタジオ全体がつきっきりで取り組んでいたはずです(映画がそうだったので)。

無限列車、遊郭編ともに一話放映後すぐに円盤発表と予約開始があったことから、やはり制作費の回収を早めたい思いがあるようです。

 

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