- 9/13(水)~9/17(日)福岡・大濠公園能楽堂
- 9/27(水)~9/28(木)愛知・名古屋能楽堂
- 9/30(土)~10/1(日)神奈川・横浜能楽堂
吾峠呼世晴氏による描き下ろしビジュアルに、キャッチコピーが深い
【「能 狂言『鬼滅の刃』ポスター解禁】
メインビジュアルの炭治郎は能 狂言の世界観に合わせて本公演の為に吾峠呼世晴先生に特別に描きおろして頂きました!またキャッチコピーの「人も鬼、鬼も人」の部分は演出の野村萬斎さんが考えられ(続く) pic.twitter.com/KU35Ofn27S— 【公式】「能 狂言『鬼滅の刃』」 (@kimetsu_nohkyo) April 3, 2022
吾峠呼先生の貴重な描き下ろし。このアナログなタッチが古典芸能には非常にマッチしています。
ビジュアルポスターはスタッフが丁寧に時間をかけて作り上げたとのこと。
そして野村萬斎氏が考案したというこのコピー。
「人も鬼、鬼も人
不滅の想いを紡ぎ、舞う」
- 能 狂言「鬼滅の刃」 キャッチコピー
鬼滅の刃の作中では、どんな残虐な鬼でも人としての苦しみや恨み、弱さを持ち、鬼とは人間の負の部分が歪んで膨張した存在として描かれています。
そして萬斎さん自身がこのように説明をしてくださっています。
能とは、
「人間がなぜ鬼になったのか、そしてその鬼の魂を鎮める」
ということに特化した芸能です。ー野村萬斎 「能 狂言『鬼滅の刃』」2022夏・冬公演決定! (演出・出演)野村萬斎コメント映像より
まさに鬼滅の世界観と重なり、能が鬼滅と親和性が高いことがよく分かります。
このキャッチコピーにそういったメッセージが凝縮されていて一瞬で引き込まれました。
鬼滅の刃と能ってどんな風になるの?
「鬼を描くことは能の専売特許。『鬼滅の刃』と親和性がある」
「能 狂言のきもは見立てです。
見立てることで、アニメや2.5次元のリアリティーのあるものというより、皆さんの想像力に訴えるものになる」「能 狂言の手法に全てはめ込むのではなく、『鬼滅の刃』の世界に入っていくようなチャレンジもないと、能 狂言もアップデートできない。
普段と違うことを考えつかなければいけない」「水の呼吸をどう表現するのか、悩ましいところです。CGを使えばできますが……(笑い)。みんなで知恵を出し合いながら、アイデアを盛り込んでいきたい
-野村萬斎 (4月5日 制作発表会 観世能楽堂GINZASIX)
あくまでも「能」ですから、例えば今年の夏に上演される『舞台「鬼滅の刃」其ノ参 無限夢列車』のような、漫画やアニメに近い2.5次元的な表現にはなりません。
「見立て」とは、つまり想像力で補完して見るものになります。
能の舞台の写真を見ても、扇子などの小道具はあっても大道具はほとんどありません。動作も様式的です。
それでもこの制作発表の言葉を見ると、陰陽師などで上演された「現代能」ともまた違った、新たな能の表現を見られることになりそうです。
余計なことを考えず、頭を真っ白にして参加するのが良さそうですね!
野村萬斎氏は古典・現代芸能を融合させる存在
この舞台の「顔」とも言える野村萬斎氏は、生粋の古典芸能の血筋の方。
今回は演出と出演の両方を担っています。
そして伝統芸能だけでなくご存知のようにTVや映画(現代・時代もの両方)、バラエティなど幅広く活躍。多くの人が関心が薄い傾向にある古典芸能を、現代の世に引き上げる努力をされています。
古典伝統芸能っていうのは 今まで続いてきたのが プレッシャーになる
時代時代に対応させてゆかないと 廃品になってしまう
- 野村萬斎 NHK「ザ⭐︎スター」より
萬斎氏のこと、能楽のこと、サクッと知りたい方はこちらをどうぞ。
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鬼滅の刃 狂言舞台化!狂言・能とは?野村萬斎さんはどんな人?
この記事では「能」や「狂言」とはどんなものか、なぜ萬斎さんに矢が向いたのかについて解説をしています。
続きを見る
能 狂言「鬼滅の刃」配役・スタッフは?
脚本(補綴)は木下裕一氏
歌舞伎の現代化にチャレンジする劇団主宰者
脚本(補綴)は、歌舞伎演目の現代劇化を試みる劇団「木ノ下歌舞伎」の主宰、木下裕一氏です。
「能 狂言『鬼滅の刃』」の補綴(ほてつ)をさせていただきます。
大ブームになる以前から主催のOFFICE OHTSUKさんが大切にあたためていた企画です。原作もさることながら、その想いも大切にしつつ、頑張りたいと思います。 https://t.co/2cr7tdncoQ— 木ノ下裕一 (@KINOSHITAyuichi) February 21, 2022
初めまして、木下裕一です。
「能 狂言『鬼滅の刃』」の補綴を担当します。
補綴と申しますのは、「脚本制作」のことです。今回、筆をとるにあたって、大切にしていることが二つあります。
一つは「吾峠先生の原作を徹底的に尊重すること」。
設定やストーリーを改変することなく、いかに能狂言の形式に落とし込めるかが肝になります(思わずくすっと笑ってしまうような原作リスペクト小ネタも入れたいと思っております)。
もう一つは「ちゃんと能狂言にすること」。
「あれ、この作品、古典だっけ?」と錯覚してしまいそうなほど、能狂言という芸能の芯を喰った本にしたいと意気込んでおります。
鬼滅の刃ファンと能狂言ファン両方のお客様が、
劇場で心を通わせることのできる日を夢想しながら。
ブーム前から企画として上がっていたとは!
となると、他に水面下にはどんな企画が走っているんでしょうか…
配役は若手から人間国宝まで。
萬斎氏は無惨・炭十郎、カラス役
発表された主な配役は以下。ストーリーは立志編・那田蜘蛛山あたりと推察できますね。
Ⓒ吾峠呼世晴/集英社・OFFICE OHTSUKI
野村萬斎氏は演出とキャストの両方に参加。炭治郎パパから無惨、そして炭治郎のカラス役まで。
野村裕基氏は萬斎さんのお子さんで狂言師。
累くん役は人間国宝の大槻文藏(おおつき ぶんぞう)氏。本公演の監修もされています。
炭治郎と禰豆子役の大槻裕一氏は、文藏氏の芸弟子にあたる新進気鋭の若手能楽師。
伊之助と鋼鐵塚役の野村太一郎氏は吉本興行に所属し芸人とコラボをするなど「狂言会の若きプリンス」とも呼ばれている狂言師です。
萬斎氏、人間国宝 大槻文藏、大槻裕一氏の写真
以下の写真左から:野村萬斎氏(演出、炭十郎、無惨、天王寺松右衛門)、大槻 文藏氏(監修、累役)、右が大槻裕一氏(炭治郎・禰豆子役)
鬼滅の刃:野村萬斎演出の能 狂言 “鬼”の悲しみを表現 水の呼吸は「悩ましい」 チャレンジも https://t.co/O2KEDrjl2t
— MANTANWEB (まんたんウェブ) (@mantanweb) April 5, 2022
能 狂言「鬼滅の刃」日程、場所、チケット情報
東京公演
日程:2022年7月26日(火)〜7月31日(日)
場所:観世能楽堂(かんぜ のうがくどう) 銀座
大阪公演
日程:2022年12月9日(金)〜12月11日(日)
場所:大槻能楽堂 (おおつき のうがくどう)大阪市中央区
概要
- 原作:「鬼滅の刃」吾峠呼世晴(集英社ジャンプコミックス刊)
- 監修:大槻 文藏(おおつき ぶんぞう)
- 演出:野村萬斎(能楽狂言方和泉流)
- 補綴:木ノ下裕一(木ノ下歌舞伎主宰)
能 狂言『鬼滅の刃』チケット情報
- 11,000円(税込) 全席指定
- 抽選 24/5(火)15時〜
- 一般販売 6/11(土)10時 ~
- 抽選・販売はローソンチケット
能 狂言『鬼滅の刃』は650年以上続く古典芸能に触れるチャンス
いかがでしたでしょうか?
能 狂言『鬼滅の刃』とは、「鬼滅の刃」をテーマにした能楽です。
つまり古典芸能を見やすい形でアレンジされているはずですね。
私は萬斎さんの現代能に一度行きましたが、楽しめました。
もし
「古典芸能ってどういうものだろう?
興味は少しるんだけど、敷居が高いな
きっかけ ないし」
こう感じていた方は、この機会に行ってみてはいかがでしょうか。
イベントや舞台はモノを手に入れるのではなく「体験」を買うもの。
鬼滅の世界を、古典芸能で体感するチャンス。ぜひエントリーしてみてください。
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鬼滅の刃 狂言舞台化!狂言・能とは?野村萬斎さんはどんな人?
この記事では「能」や「狂言」とはどんなものか、なぜ萬斎さんに矢が向いたのかについて解説をしています。
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