鬼滅の刃 遊廓編で、音柱 宇髄天元の妻の一人「雛鶴(ひなつる)」が居た切見世とは?弦ノ陸 妓夫太郎と堕姫の出生にも深く関わりがある場所です。
切見世のこと、雛鶴とはどんな人か、分かりやすく解説します。
遊廓編 第5話のネタバレを含みます
切見世とは、吉原の中で最下級の遊女屋
吉原の女郎屋の中で最も格下の遊女屋「切見世(きりみせ)。宇髄天元の妻、雛鶴が毒を飲んで移動した場所でしたね。
切見世は行く宛のない女性の受け入れ場所
切見世には、遊女の定年28歳頃を過ぎても行く宛のない遊女が、切見世の遊女になることも多く、各地の非公認の女郎屋から移ってきた者もいました。
映画「吉原炎上」では、結婚を期に女郎から足を洗った遊女が、旦那を別の遊女に寝取られ行き場を失い女郎に出戻り、切見世で働く姿がありました。
切見世とは、いろんな事情を背負った女性が集まるナマナマしい場所でもあったのです。
女郎屋では遊女が病気になってもまともな医療は受けられないそうです。
雛鶴のような病気で表舞台で働けなくなった遊女も受け入れていたのでしょう。
切見世の4つの特徴
前提として、吉原の女郎屋には格式と価格順に次の4つの種類があります。
- 大見世
- 中見世
- 子見世
- 切見世
- 大・中・子見世は表通り、切見世は裏通りに立ち並ぶ
- 大・中・子見世の遊女の定年は28歳。切見世に定年はない
- 大・中・子見世は一晩遊べるが、切見世は時間制
- 大・中・子見世は複数の遊女を抱え、一つの切見世は女郎一人
遊廓らしい「朱色の格子」は切見世には無い
遊廓編のOPにも描かれている、籬(まがき)と呼ばれる朱色の格子状の柵。
その奥に並ぶ女郎たちを品定めする客ら。遊廓らしい情景です。
この籬がある店は二階建てで、上階に客を迎える部屋があります。
しかし、切見世にはこの籬(まがき)はありません。
長屋を割ってふすま一枚で部屋を仕切った簡素な建物で、一つの建物に数件の切見世が連なり商売をしていました。
切見世の部屋はかなり狭い
入ると土間があり、上がると鏡台や敷布団が用意されていて、客とそこで交渉。
一つの見世に一女郎が基本です。
切見世の部屋は奥行きが1.8mほどしかなく、身長198cmの宇髄さんにはかなり窮屈です。
アニメでは8畳くらいの雰囲気ですが、実際にはこの1/3〜1/4くらいの狭さでしょう。
あの格子に花魁は並ばない
遊女でも最上級の遊女「花魁(おいらん)」は、この格子奥に並ぶ「張見世(はりみせ)」をしません。
引き手茶屋という仲介を通す必要があります。
鯉夏花魁、蕨姫花魁、須磨花魁も、買いたい時は指名になるわけですね。
それでも初回は相手をしてもらえない場合もあり、花魁は簡単には買えない高嶺の花でした。
確かに私も須磨ちゃんが足抜けするとは思えなかった
しっかりした子だったもの ー 鯉夏花魁
アニメ鬼滅の刃 遊郭編 第二話 (ジャンプコミックス 鬼滅の刃 9巻 No.41)
©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
自分で「みそっかす」と泣きわめいていた須磨ちゃんがそんな花魁になっているイメージが湧きませんが、仕事となればしっかりしているのかもしれませんね。
切見世の価格は?
切見世の価格は100文(約2,500円)。
(江戸後期1826年(文政9年)の史料に基づく)
以下の花魁やそのほかの遊女の価格と比べるとかなり格安です。切見世で働く遊女は体を張って日銭を稼いでいるのですね。
花魁の価格
最上位の女郎「花魁」のランク別揚代 *1:
- 呼出昼三 *2:
金1両1分=約12万5,000円 - 昼三:
金3分(7万5,000円)、
夜のみ 金1分2朱(約3万7,500円) - 座敷持:
昼夜金2分(約5万)、
夜のみ 金2朱(約1万2,500円)
*1:揚代=遊女と遊ぶ代金
*2:呼出昼三(よびだしちゅうさん)=花魁道中ができる最高位の花魁。
それ以外の遊女の価格(切見世の遊女を除く)
- 金1分〜金2朱(約2万5,000〜1万2,500円)
吉原で遊ぶ費用は揚代だけではない
しかし吉原で遊女と一晩を過ごすためには揚代だけでは足りません。
食事をとることが習わしで、遣手(やりて)や禿たちなど、花魁の周囲の人たちの料理代も出す必要がありました。
なので最上位の花魁(呼出昼三)と遊ぶには揚代以外のプラス料金が必須でした。
そのため、武家や豪商などお金持ちでないと花魁とは遊べなかったのです。
揚代参照:カンゼン/安藤優一郎 著『江戸を賑わした 色街文化と遊女の歴史』
切見世はまさに「ヤルだけ」の場所
表通りの遊女屋は食事に歌や踊りなど、接待要素も含んだ社交の場でもありましたが、切見世は目的だけに特化した即物的な場所なのです。
切見世がある中でも下品なエリア「羅生門河岸」
吉原には切見世が並ぶドブ沿いの裏通りが4つあります。そのうち一つに「羅生門河岸(らしょうもんがし)」と呼ばれる一帯があります。
そう、あの堕姫(梅)と妓夫太郎が生まれ育った場所です。
その羅生門河岸は、通路を通る客を無理やり連れ込んで客にするなど、裏通りの中でも特に品がないエリアと言われました。
かんざしで客の目を突くようなガラの悪い女郎がいるのです。
羅生門河岸
遊郭の最下層で生まれた俺たち
鬼滅の刃 集英社 ジャンプコミックス 11巻 著:吾峠呼世晴
吉原遊郭でも最低の中の最低ランクである羅生門河岸。
この最底辺の環境が、妓夫太郎たちを作り上げたのです。
吾峠呼先生の設定はなかなか唸るものがありますね。
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雛鶴(ひなつる)について:宇髄天元の妻の一人
雛鶴はバランスの良いくのいち
宇髄さんの3人の嫁の一人、雛鶴。判断が的確で、諜報、戦闘などバランスよい忍。
遊郭編では宇髄さんに「解毒薬が効いたら吉原を出ろ」と言われるものの、後に戦いに参戦。クナイで宇髄・炭治郎のピンチを救います。
くノ一として活動している以上、「女の武器」を使うこともあるでしょう。潜入中には客を相手にしていたと思われます。
原作の掲載巻:鬼滅の刃 第11巻 参考:公式ファンブック「鬼殺隊見聞録・弐」
雛鶴の年齢
21歳。
雛鶴の声優
雛鶴(ひなつる)の声優は種﨑敦美(たねざきあつみ)さん。
『魔法使いの嫁』の羽鳥チセ役をはじめ、『青春ブタ野郎シリーズ』の双葉理央役などで活躍されています。
宇髄天元の3人の嫁の声優と年齢は以下の通り。
雛鶴(ひなつる) | 須磨(すま) | まきを | |
声優 | 種﨑敦美さん | 東山奈央さん | 石上静香さん |
年齢 | 21歳 | 19歳 | 20歳 |
【テレビアニメ「鬼滅の刃」遊郭編】
新キャスト情報を発表いたしました。まきを役:石上静香
須磨役:東山奈央
雛鶴役:種﨑敦美各キャストからのコメントも公開。https://t.co/nghyLflcNN#鬼滅の刃 pic.twitter.com/R76YyaTCC2
— 鬼滅の刃公式 (@kimetsu_off) December 6, 2021
吉原に興味を持った方におすすめ
江戸幕府公認、国内最大級の規模で著名な観光場所として知られ、昭和32年の売春防止法が施行されるまで実存していた吉原遊郭。
鬼滅の刃の大正時代にはだいぶ規模が縮小されたようです。
最盛期には数千人の遊女がいたとされる吉原遊廓は、ご存知の通り様々な書籍、漫画、映画で取り上げられています。ご興味を持ったらご覧になってみても面白いでしょう。
吉原遊廓を舞台にした作品
- 「吉原炎上」
主演:名取裕子
原作:斎藤真一の小説 「吉原炎上」 - 「さくらん」
吉原に8歳で売られてたきよ葉が花魁になるまでの人生模様。
原作漫画は安野モヨコ著、主演 土屋アンナ。監督は写真家の蜷川実花氏で、彼女らしい独特で艶やかな色調が楽しめます。